【広がる可能性】県立高校に女子野球部があるということ

2025.09.12女子野球
【広がる可能性】県立高校に女子野球部があるということ

2025年夏、福知山成美高校の優勝で幕を閉じた『第29回全国高等学校女子硬式野球選手権大会』には全国から67校が参加しました。

その夏の大会にはまだ参加をしていない高校女子野球部も存在しています。

今回は夏の選手権大会後のユース大会(新人戦の位置づけ)で、初の公式戦デビューをした愛知県立名古屋西高校 女子硬式野球部をご紹介します。

2025年9月12日更新

 目次
野球経験≠女子野球選手であること
高校生から始める基礎・基本練習
初公式戦は "大きな一歩"
編集後記

 

野球経験≠女子野球選手であること

部員13人(1年生8人、2年生5人)のうち、野球やソフトボール経験者はわずかです。

ほとんどの部員が、入学してから野球を始めた初心者なんです。というエピソードに懐かしさと嬉しさを感じます。

というのも、今から20年ほど前の高校女子野球部は、野球経験者と初心者が混在していることが当たり前で、全員でスムーズにボール回しができるようになったときには、「部員みんなで喜びを分かち合う」そんな日々でした。

侍ジャパン女子代表選手も、男子の中でプレーする女子選手も、野球を始めたばかりの選手も、野球経験に関係なく【女子野球選手】であることに違いはありません。

県立名古屋西高校女子硬式野球部を創部し、日々指導にあたる上田部長と宮河監督が『これで少なくとも13人!女子野球人口が増えたということです』とにこやかに話す表情が印象的でした。

 

高校生から始める基礎・基本練習

このようにほとんどが初心者の選手たちである部活動の時間内で、投げる・打つ・捕るという野球の基本的な動きや技術の練習、そしてその数をこなすための練習にはさまざまな工夫があります。

例えば、速い球を打つバッティング練習では、手動式のピッチングマシンを導入しています。

数多く速い球かつストライクに投げるには、選手がバッティングピッチャーを務めるよりも効率が良く、練習のバリエーションを増やす点でも工夫されています。

また、野球練習用品の導入を検討するにあたりいくつかサンプルを試した際も、選手同士で使い方や動作の確認をする様子が印象的でした。

野球に限らず幼少期から始めたスポーツや習い事は、考えるよりも楽しくやっている、まず言われた通りにやってみる、体で覚える、というスタートが多いでしょう。

逆に高校生から始めた選手たちは、頭で整理し、理解をしたうえで練習をしているという印象を受けます。

「この道具はなんのためですか?」「これはどういう動きをしますか?」など、練習用品を使う際にも練習から効果までを紐づけて考えてから使用しています。

それが野球の基礎・基本の早期習得につながっているのではないでしょうか?

 

初公式戦は "大きな一歩"

そんな名古屋西高校女子硬式野球部が、初の公式戦として出場したのが2025年8月18日に初戦を迎えた第16回記念全国高等学校女子硬式野球ユース大会です。

夏の選手権大会で各校の3年生が引退をし、1・2年生で戦う新人戦の位置づけにあたるユース大会なので、他校の選手たちとも学年の差はありません。

初めての公式戦の相手は創部5年目ながら今季は1・2年生のみで活動している岩手県の森岡誠桜高校でした。

結果は… 0 - 42 (5回コールド)の黒星スタートに…

スコア上は大敗と言わざるを得ない点差ですが、野球をやるために高校の進学先を選び入学・入部することが当たり前のようになっている昨今において、県立高校に創部された女子野球部として、そして高校入学後に野球をやってみようと始めた選手たちにとっても、この公式戦初戦は大きな意味を持つ "大きな一歩" です。

以下、名古屋西高校女子硬式野球部公式Instagramより

名古屋西高校女子硬式野球部では、活動にダブルゴールを設定しています。
スコア上の勝利を目指すことがひとつめのゴール。
そしてふたつめ、試合を通して成長するきっかけや、成長の実感、うまくなるための気づき、感動、友情、青春など、女子野球選手として、人として成長する「何か」を得ること。
この「何か」を得ることができればそれも「勝利」(=ゴール)としています。
創部初、歴史的な試合を経た選手たちは多くの「何か」をつかむことができたのではないかと、選手たちの試合後の様子を見て感じでおり、この点において圧倒的勝利であったと考えています。

名古屋西高校女子硬式野球部

 

 

編集後記

今回は、上田部長から簡易マウンドの導入を検討しているというお問い合わせをいただき、それなら!!!と千葉県の本社から愛知県までハイエースをかっ飛ばして(笑) 訪問させていただきました。

部活の様子を見て選手たちと会話をする中で感じたことは「今の女子野球に必要な場だな」ということです。

小学生・中学生と野球を続けてきた女子選手が上を目指せる環境が増えると同時に、「野球をやってみたいな」という女の子が "高校からでも野球を始められる環境がある" ということをしっかり伝えていきたいと思います。

フィールドフォース 小林

 

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